サービス業界の事件です。A社は業界トップでシェア70%、B社は2位で同20%でした。寡占状態です。A社は、虚偽の事実を告げてB社の大量の従業員(3割)を一斉に引き抜き、さらにB社からのA社へ契約の切り替えをする顧客に低価格を提示しました。その結果多数の契約がA社へ移りました。B社は、大損害を受けました。なお、A社の行為には公正取引委員会から、排除措置が命じられています。
B社は、A社を相手方として、損害賠償請求訴訟を起こしました。
ここで東京地裁は、A社の行為は、単なる転職の勧誘を超えた社会的相当性を逸脱する不公正な引き抜きであり不法行為と認定し、20億円の損害賠償を認めました(東京地裁平成20年12月10日判決)。
福島県内でも、これほどの規模ではなくても、従業員の引き抜きがあるかもしれません。単なる転職の勧誘の範囲であれば、差し支えないのですが、それを超えると違法になります。その境界は、社会的相当性が認められるかどうかです。具体状況によって、判断が異なることに注意します。